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公正取引委員会と食玩とドリンクキャンペーン[5] 23:55
 公正取引委員会がサントリー・ペプシの「GET!!ガンダムキャンペーン」に対して「注意」を出したことにより、2005年秋から2006年冬にかけて、各社の“ドリンクキャンペーン”はブラインド形式からオープン形式のパッケージに移行し、中身が判別できるスタイルに変更されました。

 この事実だけを見ると、「公正取引委員会がブラインド形式の“ドリンクキャンペーン”を禁止した」と思われがちですが、今回の件でそういった事実はありません。

 公正取引委員会は『景品表示法』に違反する行為、又は違反する恐れがある行為が認められた場合、まずはその事案が本当に『景品表示法』に違反しているかについて審査します。 通常、この審査には数ヶ月から1年程度かかり、場合によっては事業者への立ち入り検査、資料提出の要請も行われます。 この審査結果に基づき、公正取引委員会は必要に応じて事業者に対して以下のような措置を講じます。
【排除命令】
・『景品表示法』に違反した事業者に対して違反行為をやめ、今後の再発防止を命じる措置
・対象事業者、排除命令内容を公表・官報に告示
【警告】
・『景品表示法』違反の恐れがある行為に対して改善を求める措置
・原則として対象事業者、警告内容の公表
【注意】【注意喚起】
・『景品表示法』違反の恐れがある具体的な事実を認定するに至らないが、『景品表示法』違反につながる恐れがある場合に事業者の注意を喚起する措置
・原則として対象事業者、注意内容は公表されない

 今回、公正取引委員会からサントリーに対して出されたのは【注意】です。 公正取引委員会の審査では、「ガンダムボトルキャップ」は、“現状においては『景品表示法』違反ではないが、状況に応じて『景品表示法』違反になる場合もある”という判断が下されたことになります。

 2005年10月26日の読売新聞の記事の中では“公取委は「懸賞品」と認定”とされていますが、公正取引委員会に「懸賞品」と認定された場合、「ガンダムボトルキャップ」は『景品表示法』違反となり、サントリーに対して【注意】ではなく【警告】又は【排除命令】が出されるので、これは読売新聞の“誤報”です。

 今回の件で【排除命令】や【警告】が出されずに【注意】が出されたということは、少なくとも“現状においては『景品表示法』違反ではない”ということであり、少し乱暴な結論を出すと“「ガンダムボトルキャップ」は『景品表示法』に違反していない”ということになります。 『景品表示法』に違反していない以上、公正取引委員会が「“ドリンクキャンペーン”はブラインド形式からオープン形式に変更しなければならない」といった指導をすることはありません。

 つまり、“ドリンクキャンペーン”のパッケージがブラインド形式からオープン形式へと移行したのは、公正取引委員会がブラインド形式の“ドリンクキャンペーン”を禁止したためではなく、あくまでメーカー各社の“自主判断”であり、その“自主判断”が横並びで行われたことが原因ということになります。

 もちろん、その背景には、公正取引委員会が出した【注意】にはブラインド形式の“ドリンクキャンペーン”が“状況に応じて『景品表示法』違反になる場合もある”といった内容が含まれていたことがあるのは事実です。

 次の項では、本当にブラインド形式の“ドリンクキャンペーン”は『景品表示法』に違反するのかについて見ていきます。
| 公正取引委員会 | comments(7) | trackbacks(1) | posted by もも♂
公正取引委員会と食玩とドリンクキャンペーン[4] 23:57
 前の項では、『不当景品類及び不当表示防止法』(以下、『景品表示法』)における「景品類」の分類と、公正取引委員会が定めた「景品類」に対する規制について触れました。

 『景品表示法』における「景品類」は【一般懸賞】、【共同懸賞】、【オープン懸賞】、【総付景品】の4種類に分類されますが、今回の“ドリンクキャンペーン問題”でポイントとなるのが【一般懸賞】と【総付景品】の違いという点です。

 今回の問題を分かりやすくするために、問題の発端となったペプシの「Get!!ガンダムキャンペーン」を具体的な事例として、公正取引委員会が指摘した“ドリンクキャンペーンの問題点”について見ていきたいと思います。

 ペプシの「GET!!ガンダムキャンペーン」は、キャンペーン期間中に対象商品である「ペプシツイスト」を購入すると、もれなく「ガンダムボトルキャップ」1個を「景品」として提供するというキャンペーンでした。

 「ペプシツイスト」のキャンペーンで提供される「ガンダムボトルキャップ」は、“その方法を問わず、顧客を誘引するための手段として商品の取引に付随して提供する物品”=“『景品表示法』で定める「景品類」”に該当し、『景品表示法』により規制を受けるという点については、サントリー側、公正取引委員会側、両者の共通見解であり、この大前提においては見解の相違はありません。

 両者の見解が分かれたのが、「景品類」の分類についての部分です。

 「GET!!ガンダムキャンペーン」では、「ペプシツイスト」1本に対して「ガンダムボトルキャップ」1個を「景品」としてもれなく提供するわけですから、“一般消費者に対して懸賞の方法によらず景品を提供する方法”=【総付景品】に該当するというのがサントリー側の見解(当時の“ドリンクキャンペーン”に対する一般的な見解)でした。

 ところが、公正取引委員会側は、“「ガンダムボトルキャップ」は全部で32種類あり、中身が判別できないブラインド形式のパッケージでは全種類を揃えるのは「運」に左右される”という点を指摘し、「GET!!ガンダムキャンペーン」は“くじやジャンケンなど偶然性を利用して景品を提供する方法”=【一般懸賞】に該当する可能性があるという“新見解”を打ち出しました。

 ここでは「公正取引委員会の“新見解”」という表現を使いましたが、『景品表示法』第2条・第3条では、「景品類」の具体的な定義、規制の内容については公正取引委員会が決めることができるとされていますので、公正取引委員会の判断は、そのまま“ルール”ということになります。

 こうして「GET!!ペプシキャンペーン」で提供された「ガンダムボトルキャップ」は【総付景品】ではなく【一般懸賞】に該当する可能性があるという見解が出されたわけですが、この見解が出されたことにより、問題となったのが「ガンダムボトルキャップ」の価格(コスト)です。

 前述の通り、【総付景品】と【一般懸賞】では、景品の限度額に違いがあります。 「ペプシツイスト」の標準小売価格は147円ですので、[取引価格1000円未満の場合]に該当し、それぞれ以下のような規制が設けられています。
【総付景品】
 景品類の最高額…100円まで
【一般懸賞】※(1)、(2)両方の限度内
 景品類の最高額…取引価格の20倍まで
 景品類の総額…懸賞に係る売上予定総額の2%以内

 「ガンダムボトルキャップ」が【総付景品】であった場合、1個あたり100円までコストがかけられるということになります。

 ところが、「ガンダムボトルキャップ」が【一般懸賞】であった場合には、1個あたりの価格は“最高で取引価格の20倍まで”で、全体で“売上予定総額の2%以内”という両方の限度内でなければなりません。 「ペプシツイスト」の標準小売価格147円で計算すると、1個あたりの最高額が2940円以内、1個あたりの平均価格が2円94銭以内でなければならないということになります。

 つまり、当初、「ガンダムボトルキャップ」は【総付景品】であるという前提で製造されたため、“100円まで”という規制はクリアできるコストですが、【一般懸賞】となった場合、“取引価格の20倍まで”という最高額の規制はクリアできるものの、全体で“売上予定総額の2%以内”という総額の規制がクリアできないというわけです。

 今回の公正取引委員会からサントリーに対する「注意」は、「GET!!ガンダムキャンペーン」の「景品」が【一般懸賞】に該当する可能性があり、その場合、“景品類の総額”の規制をオーバーするという点への「注意」であったということになります。

 この「注意」がきっかけとなり、各社の“ドリンクキャンペーン”がブラインド形式からオープン形式へと移行したのは事実ですが、この問題を語るうえで注意しておかなければならないことがありますので、次の項で触れたいと思います。
| 公正取引委員会 | comments(0) | trackbacks(1) | posted by もも♂
公正取引委員会と食玩とドリンクキャンペーン[3] 11:01
 過大な景品類の提供や不当な表示を規制することで公正な取引を確保するための法律が『不当景品類及び不当表示防止法』(通称『景品表示法』)という法律です。

 『景品表示法』第1条には、この法律の目的が以下のように書かれています。

(目的)
第1条
この法律は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)【注:通称『独占禁止法』】の特例を定めることにより、公正な競争を確保し、もつて一般消費者の利益を保護することを目的とする。

 『景品表示法』は、“不当な景品提供や表示によって公正な取引が阻害されることを防止し、消費者を保護するための法律である”ということが書かれています。 今回の公正取引委員会から出されたドリンクキャンペーンに対する「注意」「要請」は、この法律の「景品類」に関する規制に基づいたものです。

 続いて、第2条、第3条では「景品類」について、以下のように書かれています。

(定義)
第2条
この法律で「景品類」とは、顧客を誘引するための手段として、その方法が直接的であるか間接的であるかを問わず、くじの方法によるかどうかを問わず、事業者が自己の供給する商品又は役務の取引(不動産に関する取引を含む。以下同じ。)に付随して相手方に提供する物品、金銭その他の経済上の利益であつて、公正取引委員会が指定するものをいう。

(景品類の制限および禁止)
第3条
公正取引委員会は、不当な顧客の誘引を防止するため必要があると認めるときは、景品類の価額の最高額若しくは総額、種類若しくは提供の方法その他景品類の提供に関する事項を制限し、又は景品類の提供を禁止することができる。

 第2条では、「景品類」とは“その方法を問わず、顧客を誘引するための手段として(広義の)商品の取引に付随して提供する物品などで、公正取引委員会が指定したものは「景品類」に該当する”ということが書かれています。
 また、第3条では“公正取引委員会は「景品類」に対する制限・禁止が可能で、具体的な規制の内容を決めることができる”ということが書かれています。
 つまり、公正取引委員会が“これは「景品類」に該当する”と指定したら「景品類」に該当し、その「景品類」に関する規制も公正取引委員会が決めているということです。

 第3条で定められている「景品類」への規制については、公正取引委員会の公示・運用基準に基づいて行われていますが、関連する箇所を抜粋するだけで膨大な量になってしまうので、こちらは内容をまとめたものにします。

「景品類」の分類

【一般懸賞】…くじやジャンケンなど偶然性を利用して景品を提供する方法
【共同懸賞】…一定の地域の小売業者・サービス業者などが共同して行う懸賞
【オープン懸賞】…取引(商品購入など)を条件とせずにTV・新聞などにより応募する懸賞
【総付(そうづけ)景品】…一般消費者に対して懸賞の方法によらず景品を提供する方法

「景品類」に対する規制・景品の限度額

【一般懸賞】※取引価格にかかわらず(1)、(2)両方の限度内でなければならない
[取引価格5000円未満の場合]
 (1)景品類の最高額…取引価格の20倍まで
 (2)景品類の総額…懸賞に係る売上予定総額の2%以内
[取引価格5000円以上の場合]
 (1)景品類の最高額…10万円まで
 (2)景品類の総額…懸賞に係る売上予定総額の2%以内

【共同懸賞】※(1)、(2)の両方の限度内でなければならない
 (1)景品類の最高額…30万円
 (2)景品類の総額…懸賞に係る売上予定総額の3%以内

【オープン懸賞】
 景品類の最高額…1000万円(一部例外あり)

【総付景品】
[取引価格1000円未満の場合]
 景品類の最高額…100円まで
[取引価格1000円以上の場合]
 景品類の最高額…取引価格の10%まで


 このように、「景品類」は4種類に分類され、それぞれに対して景品類の最高額・総額の規制が設けられています。

 今回の“ドリンクキャンペーン”に対する「注意」「要請」は、公正取引委員会が「景品類の分類」に対して“新見解”を示したことと、それに伴い景品類の総額・最高額の規制という面で問題があったことが原因となっています。

 次の項では、「“ドリンクキャンペーン”には、具体的にどういう問題点があったのか?」について見ていきます。
| 公正取引委員会 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by もも♂
公正取引委員会と食玩とドリンクキャンペーン[2] 02:35
 公正取引委員会がサントリー・ペプシのオンパックキャンペーンに対して「注意」を出したことにより、各社の“ドリンクキャンペーン”は中身の分からない“ブラインド形式”から中身が判別可能な“オープン形式”へと移行しました。

 この動きと前後して、「公正取引委員会が“ブラインド形式”の“ドリンクキャンペーン”の“おまけ”に対して“No”と判断したことで、今後は“ブラインド形式”の“食玩”の“おまけ”に対しても“No”と判断するのではないか?」「公正取引委員会のせいで、食玩がなくなる… 」といったご意見が至る所で見受けられましたが、実は、基本的に「ドリンクキャンペーン」の“おまけ”と「食玩」の“おまけ”は、法律上は“別物”という扱いになっているということをきちんと理解しておく必要があるかと思います。

 いわゆる“食玩ブーム”という時代の中で、“食玩”も“ドリンクキャンペーン”も同じ“おまけ”というジャンルの中で語られ続けたこと、今回の公正取引委員会の判断が“ブラインド形式”全般に対する“否定”として捉えられていること、ニュースソースとなっている読売新聞の記事で、中途半端にロッテの「ビックリマンチョコ」のことにも触れていて、混乱を招く内容になっていることなど、“食玩”と“ドリンクキャンペーン”を混同してしまう要因はいくつかあるので、仕方のない部分もあるんですが…

 では、“ドリンクキャンペーン”と“食玩”とでは、どのような違いがあるのか?について、分かりやすくするために、ある“フィギュア”が“ドリンク”または“菓子”に“おまけ”として付いてくる場合で考えてみましょう。

・“ドリンクキャンペーン”の場合
 通常、“ドリンク”は“おまけ”がなにも付いていない状態で販売されています。
 ところが、販売促進のためにキャンペーンが展開されると、“フィギュア”が“おまけ”として付いてきます。
 このとき、“おまけ”が付いていない“ドリンク”と“おまけ”が付いている“ドリンク”に価格の差はなく、“フィギュア”はキャンペーンの期間中だけ“ドリンク”という商品に付いてくる完全な“おまけ”ということになります。
 こうした場合、この“おまけ”は『不当景品類及び不当表示防止法』(通称『景品表示法』)が定める「景品類」に該当し、同法によって提供方法・限度額などが制限されます。

 
・「食玩」の場合
 “食玩”について、“菓子”の“おまけ”として“フィギュア”が付いてくると考えられがちですが、正確には“菓子”と“フィギュア”という2つの商品をセットで販売している1つの商品という扱いになります。 “菓子”+“フィギュア”の合計が価格として設定されているため、“フィギュア”は“おまけ”ではなく1つの商品(または商品の一部)ということになります。
 一般的には“おまけ”と思われている“フィギュア”ですが、あくまで“おまけ”ではなく商品(の一部)という扱いですから、『景品表示法』が定める「景品類」には該当しないため、同法による制限などは受けません。


 …と、簡単にまとめるとこんな感じになります。 要は“ドリンクキャンペーン”の場合は『景品表示法』という法律で制限を受けますが、“食玩”の場合は『景品表示法』は基本的には関係なく、制限は受けないということです。 今回の公正取引委員会のサントリーに対する「注意」は、この『景品表示法』に基づいたものですので、この「注意」が直接的に“食玩”に影響を及ぼすことはないはずです。

 次の項では、この『景品表示法』についてもうちょっと詳しく見ていきます。
| 公正取引委員会 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by もも♂
公正取引委員会と食玩とドリンクキャンペーン[1] 08:38
 “公正取引委員会がドリンクキャンペーンに対して注意を出した”というニュースを読売新聞が報じたのが2005年10月26日。 このニュースはその日のうちにネット上を駆け巡り、テレビでもワイドショーなどのいくつかの情報番組で取り上げられたので覚えている方も多いかと思います。

 まずは、2005年10月までのドリンクキャンペーン関連の動きを時系列に沿って整理しておきましょう。

【2005年8月21日】
 幕張メッセで開催された『C3 × HOBBY キャラホビ2005』会場内・ペプシブースにて2005年9月上旬から展開予定の「GET!! ガンダムSEEDキャンペーン」のサンプルが展示される。
 同時にパッケージのサンプル(写真)も展示されたが、パッケージに透明窓が付き、中のフィギュアが判別できるオープン形式のパッケージが採用されていた。
 この時点では、アニメ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』が、本編の内容的にも、商業的にもアレなことになっていたため、「“オープン形式にでもしなければ売れない”という判断からだろう」という見方が一般的だった。

【2005年9月上旬】
 サントリー・ペプシツイスト「GET!! ガンダムSEEDキャンペーン」がスタート。
 『C3 × HOBBY キャラホビ2005』で展示されていた通り、オープン形式のパッケージでキャンペーンが展開される。

【2005年10月12日】
 東京ニュース通信社『TV Bros.』で連載されていた宮脇修一・海洋堂社長兼任専務のコラム「専務の異常な愛情」最終回で、“ドリンクキャンペーンに対して公正取引委員会から通達があった”との内容が掲載される。 以下、同コラムより抜粋。 全文はこちらを参照。
「ブラインドのドリンクおまけキャンペーンは客の射幸心をあおるけしからぬものだから、中に何が入っている明記しなければならない」などという通達を公正取引委員会が、数日前に出してきた。 【中略】 食玩ブームがすぎ、人気キャラクターに頼らない「本当の意味で面白い冒険ができる最後のフィールド」であったドリンクキャンペーンも、これで骨抜きになった。 【中略】 我々はドリンクキャンペーンから撤退するだろう。

【2005年10月26日】
 読売新聞・朝刊及び【YOMIURI ONLINE】で“ペプシおまけのガンダムは「懸賞品」…公取委が注意”というタイトルの記事が掲載される。 記事の内容は以下の通り。
【ペプシおまけのガンダムは「懸賞品」…公取委が注意】

 中が見えない袋に入った人気アニメ「機動戦士ガンダム」のキャラクター模型は、消費者の射幸心をあおる「懸賞品」に当たると判断された。約20年前には、ロッテ(東京都新宿区)がシール付きの「ビックリマンチョコ」で同様の注意を受けており、コレクター心理をくすぐる販売戦略に再び「待った」がかかった。

 サントリーは2003年9月から、32種類の「ガンダム」の模型のうちいずれか1種類を袋入りのおまけにして、「ペプシツイスト」ボトル缶などの販売を始めた。おまけは全商品についていれば、通常は「景品」とされるが、ペプシの場合、いくら商品を買っても全種類を集め切れるかどうかは運に左右されるため、公取委は「懸賞品」と認定。懸賞品の価格は商品価格の2%以下でなければならないが、今回はこの制限を超えていたという。

 公取委などによると、模型の中には、めったに入手できない「レアもの」もあり、全種類を集めようとして大量に商品を購入し、飲料のみをインターネットなどで販売するコレクターもいた。全種類そろった模型は、ネットオークションで10万円前後で売買されているという。

 公取委は9月末、サントリーに注意を出すとともに、全国清涼飲料工業会にも、同じような販売手法を取らないよう要請した。サントリーは審査中だった同月上旬に、袋を透明なものに変更した。

 サントリー大阪広報部は「9月から透明化したのは当社独自の判断」としたうえで「飲料業界の一員として、公取委の指摘に従いたい」としている。

【2005年10月26日〜】
 読売新聞の報道を受けて、一般紙・スポーツ紙の各紙が同様の記事を掲載する。
 テレビ各局も情報番組などで取り上げる。

 2005年の夏〜秋のドリンクキャンペーン関連の主な動きをまとめるとこんな感じになります。

 あらためて振り返ってみると、読売新聞の記事では公正取引委員会からサントリーへの「注意」・全国清涼飲料工業会への「要請」は2005年9月末ということになっていますが、2005年8月21日開催の『C3 × HOBBY キャラホビ2005』の時点でオープン形式のパッケージを展示していたということは、少なくとも2005年夏、あるいはその前からサントリーと公正取引委員会の間で“なんらかのやり取り”があったというのは容易に想像ができます。

 また、サントリー・ペプシ関連のドリンクキャンペーンでは、9月上旬の「GET!! ガンダムSEEDキャンペーン」も12月上旬の「GET!! スター・ウォーズ エピソード3 スペシャルボトルキャップキャンペーン」もオープン形式だったのに対し、海洋堂関連のドリンクキャンペーンでは、12月上旬の「キング・コング フィギュアコレクション」、1月下旬の「ダイノテイルズ6 立体恐竜図鑑」「冬の北海道大物産展」までがブラインド形式で、2月上旬の「アルプスの少女ハイジ ボトルキャップフィギュア」以降がオープン形式と、オープン形式のパッケージへ移行する時期にズレがあることから、公正取引委員会の「注意」「要請」へのある程度の猶予期間が設けられていたことが分かります。(これには別の要因もあるかもしれませんが…)

 とはいえ、公正取引委員会の“鶴の一声”で、すべてのドリンクキャンペーンがブラインド形式からオープン形式に移行したのは事実です。 公正取引委員会が示した新たな判断基準とはどういったものだったのか? ドリンクキャンペーンのなにが問題だったのか? 次の項からは『景品表示法』という法律とドリンクキャンペーンの関係について詳しく見ていきたいと思います。
| 公正取引委員会 | comments(0) | trackbacks(1) | posted by もも♂
公正取引委員会と食玩とドリンクキャンペーン 【2】 23:59
 『不当景品類及び不当表示防止法』(通称『景品表示法』)… 公正取引委員会の“注意”により、ペプシの「GET!!ガンダムSEED キャンペーン」のパッケージが透明になり、中になにが入っているのか分かる仕様になっちゃった事件や海洋堂がドリンクキャンペーンからの撤退を宣言しちゃった事件の原因となったのが、この『景品表示法』という法律です。

 『景品表示法』第1条には、この法律の目的が以下のように書かれています。 (青字はもも♂注釈)

(目的)
第1条
この法律は、商品及び役務の取引に関連する不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するため、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)【注:通称『独占禁止法』】の特例を定めることにより、公正な競争を確保し、もつて一般消費者の利益を保護することを目的とする。

 「この法律は不正な景品提供や不正な表示によって公正な取引が阻害されることを防止するための法律ですよ」ってことですね。 今回の公正取引委員会から出されたドリンクキャンペーンに関する“注意”は、この法律の「景品類」に関する規制に基づいたものです。

 続く第2条、第3条では「景品類」について、以下のように書かれています。

(定義)
第2条
この法律で「景品類」とは、顧客を誘引するための手段として、その方法が直接的であるか間接的であるかを問わず、くじの方法によるかどうかを問わず、事業者が自己の供給する商品又は役務の取引(不動産に関する取引を含む。以下同じ。)に付随して相手方に提供する物品、金銭その他の経済上の利益であつて、公正取引委員会が指定するものをいう。

(景品類の制限および禁止)
第3条
公正取引委員会は、不当な顧客の誘引を防止するため必要があると認めるときは、景品類の価額の最高額若しくは総額、種類若しくは提供の方法その他景品類の提供に関する事項を制限し、又は景品類の提供を禁止することができる。

 第2条では、「その方法を問わず、顧客を誘引するための手段として(広義の)商品の取引に付随して提供する物品などで、公正取引委員会が指定したものは「景品類」に該当する」ということが書かれていて、第3条には「その「景品類」に関する規制は公正取引委員会が決めることができる」ということが書かれています。 つまり、公正取引委員会が決めたルールの中で、公正取引委員会が「これは景品」と指定したら「景品類」に該当するってことですね。

 第3条で定められている「景品類」への規制については、具体的には公正取引委員会の公示・運用基準に基づいて行われているわけですが、関連する箇所を抜粋するだけでスゴイ量になってしまうので、こちらはまとめたものを…

「景品類」の分類
【一般懸賞】…くじやジャンケンなど偶然性を利用して景品などを提供する方法
【共同懸賞】…一定の地域の小売業者・サービス業者などが共同して行う懸賞
【オープン懸賞】…取引(商品購入など)を条件とせずにTV・新聞などにより応募する懸賞
【総付(そうづけ)景品】…一般消費者に対して懸賞の方法によらず景品を提供する方法

「景品類」に対する規制・景品の限度額

【一般懸賞】※取引価格にかかわらず(1)、(2)両方の限度内でなければならない
[取引価格5000円未満の場合]
 (1)景品類の最高額…取引価格の20倍まで
 (2)景品類の総額…懸賞に係る売上予定総額の2%以内
[取引価格5000円以上の場合]
 (1)景品類の最高額…10万円まで
 (2)景品類の総額…懸賞に係る売上予定総額の2%以内

【共同懸賞】※(1)、(2)の両方の限度内でなければならない
 (1)景品類の最高額…30万円
 (2)景品類の総額…懸賞に係る売上予定総額の3%以内

【オープン懸賞】
 景品類の最高額…1000万円(一部例外あり)

【総付景品】
[取引価格1000円未満の場合]
 景品類の最高額…100円まで
[取引価格1000円以上の場合]
 景品類の最高額…取引価格の10%まで


 …と、「景品類」は4種類に分類され、それぞれに対して景品類の最高額・総額の規制が設けられています。

 今回、公正取引委員会から「ドリンクキャンペーン」に「NO」が突き付けられたのは、この景品類の分類に対する新見解とそれに伴う景品類の総額規制の問題があったからなのですが…

 この話、まだ続きます…
| 公正取引委員会 | comments(0) | trackbacks(2) | posted by もも♂
公正取引委員会と食玩とドリンクキャンペーン 【1】 23:59
 さてさて、読売新聞の【ペプシおまけのガンダムは「懸賞品」…公取委が注意】の記事を受けて、テレビのニュース番組や情報番組でも今回の件が取り上げられ、いろいろなところで盛り上がりを見せているようで、ネット上でもブログや掲示板などを中心に話題になっている(話題にしている人が多い)ようです。

 そういった中で、公正取引委員会が「ブラインド方式」の「ドリンクキャンペーン」の“おまけ”に対して「NO」と判断したことで、今後は「ブラインド方式」の「食玩」の“おまけ”に対しても「NO」と判断するんじゃないか? 公正取引委員会のせいで、食玩がなくなる… といったご意見が至る所で見受けられますが… 実は、基本的に「ドリンクキャンペーン」の“おまけ”と「食玩」の“おまけ”は、法律上は“別物”という扱いになっているということをきちんと理解しておく必要があるかと思います。

 まぁ、いわゆる“食玩ブーム”という時代の中で、「食玩」も「ドリンクキャンペーン」も同じ“おまけ”という大まかなジャンルの中で語られ続けたこと、今回の公正取引委員会の判断が“「ブラインド方式」に対する否定”として捉えられていること、ニュースソースとなっている読売新聞の記事で、中途半端にロッテの「ビックリマンチョコ」のことにも触れていて、混乱を招く内容になっていることなど、「食玩」と「ドリンクキャンペーン」を混同してしまってもしょうがないのかな… という状況ではあるんですが…(^^;

 で、「ドリンクキャンペーン」と「食玩」との違いについてですが… 分かりやすくするために、ある“フィギュア”が“ドリンク”または“菓子”に“おまけ”として付いてくる場合で考えてみましょう。

・「ドリンクキャンペーン」の場合
 通常、“ドリンク”は“おまけ”がなにも付いていない状態で販売されています。 ところが、販売促進のためにキャンペーンが展開されると、“フィギュア”が“おまけ”として付いてきます。 このとき、“おまけ”が付いていない“ドリンク”と“おまけ”が付いている“ドリンク”に価格の差はなく、“フィギュア”は“ドリンク”という商品に付いてくる完全な“おまけ”ということになります。
 こうした場合、この“おまけ”は『不当景品類及び不当表示防止法』(通称『景品表示法』)が定める「景品類」に該当し、同法によって限度額などが制限されます。

 
・「食玩」の場合
 「食玩」について、“菓子”の“おまけ”として“フィギュア”が付いてくると考えられがちですが、正確には“菓子”と“フィギュア”という2つの商品をセットで販売している1つの商品という扱いになります。 “菓子”+“フィギュア”の合計が価格として設定されているため、“フィギュア”は“おまけ”ではなく1つの商品(または商品の一部)ということになります。
 一般的には“おまけ”と思われていますが、あくまで“おまけ”ではなく商品(の一部)なわけですから、『景品表示法』が定める「景品類」には該当しないため、制限などは受けません。

 …と、簡単にまとめるとこんな感じになります。 まぁ、要は「ドリンクキャンペーン」の場合は『景品表示法』という法律で制限を受けるけど、「食玩」の場合は『景品表示法』は基本的には関係ないということです。 今回の公正取引委員会からサントリーに対しての“注意”は、この『景品表示法』に基づいたものですので、この“注意”が直接的に「食玩」に影響を及ぼすことはないはずです。

 次回、この『景品表示法』についてもうちょっと詳しく書きます。
| 公正取引委員会 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by もも♂
公正取引委員会の通達 08:53
 「景品表示法」と「食玩」、「ドリンクキャンペーン」の関係についていろいろ書こうと思っていたら、読売新聞にタイムリーな記事が…


【ペプシおまけのガンダムは「懸賞品」…公取委が注意】

中が見えない袋に入った人気アニメ「機動戦士ガンダム」のキャラクター模型は、消費者の射幸心をあおる「懸賞品」に当たると判断された。約20年前には、ロッテ(東京都新宿区)がシール付きの「ビックリマンチョコ」で同様の注意を受けており、コレクター心理をくすぐる販売戦略に再び「待った」がかかった。

サントリーは2003年9月から、32種類の「ガンダム」の模型のうちいずれか1種類を袋入りのおまけにして、「ペプシツイスト」ボトル缶などの販売を始めた。おまけは全商品についていれば、通常は「景品」とされるが、ペプシの場合、いくら商品を買っても全種類を集め切れるかどうかは運に左右されるため、公取委は「懸賞品」と認定。懸賞品の価格は商品価格の2%以下でなければならないが、今回はこの制限を超えていたという。

公取委などによると、模型の中には、めったに入手できない「レアもの」もあり、全種類を集めようとして大量に商品を購入し、飲料のみをインターネットなどで販売するコレクターもいた。全種類そろった模型は、ネットオークションで10万円前後で売買されているという。

公取委は9月末、サントリーに注意を出すとともに、全国清涼飲料工業会にも、同じような販売手法を取らないよう要請した。サントリーは審査中だった同月上旬に、袋を透明なものに変更した。

サントリー大阪広報部は「9月から透明化したのは当社独自の判断」としたうえで「飲料業界の一員として、公取委の指摘に従いたい」としている。

 この記事のおかげで、宮脇修一・海洋堂社長兼任専務がコラムに書いていた「公正取引委員会からの通達」の具体的な中身、通達が出された時期、通達の対象など、モヤッとしていた部分がハッキリしました。 なるほど、そういうことだっのか…

 ところで、リンク先の記事内に“公取委などによると、模型の中には、めったに入手できない「レアもの」もあり、全種類を集めようとして大量に商品を購入し、飲料のみをインターネットなどで販売するコレクターもいた。全種類そろった模型は、ネットオークションで10万円前後で売買されているという。”って部分がありますが… フルコンプセットでも「ネットオークションで10万円前後で売買されている」ような商品に心当たりがないのですが… ちゃんと市場調査してますか? >公正取引委員会様
| 公正取引委員会 | comments(0) | trackbacks(0) | posted by もも♂
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